ほんわか♪ぷっくりの♪ベアを作ってます♪

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カミュ 「異邦人」

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主人公は何もかもに無関心で 何もかもに否定的な
生きる事に対して 虚無感しか抱いていないような人物
感情がなく とても冷たい人間に見えます

例えば 
亡くなった母親の葬式でも 悲しむそぶりを見せず涙も流さない
恋人に結婚をしたいかどうか尋ねられても 
「君のことを愛してるわけではないけど 君が望むなら結婚してもいい」

全く感情に流されない彼は どんどん周りから浮いていきます
そして事件が起るのです

殺人を犯した動機ですら
「太陽がまぶしかったから」。。。

この物語の最後に この主人公の人物像が ようやく見えてきます

本当の彼は、生に対して圧倒的な情熱を傾け真理を追究し続けていたのです
自分に嘘をつく事をよしとしなかったのです
そのために 周りからは異邦人のように扱われようとも
たとえ死刑になろうとも。。。 

そして 最後にようやく 彼の求める真理に辿り着くのです

気高い魂を持つ青年の運命を描ききった作品です

読後、自分の生き方を振り返りました

主人公と照らし合わせ
「ここは 良し」「これは ダメだ。。。」
と、思わず自省してしまう
私にとっては そんな小説でした




宮部みゆき 「地下街の雨」


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この作者の作品は 今までたくさん読んでいます
そして言える事は

一度も裏切られた事がない

という事です^^

この作品は 短編集ですが
彼女のミステリーは 短編でも長編でも 同じくらい読み応えがあります

この作品集はどれも、すごい事件が起ったり 難解な謎が張り巡らされている訳ではありません
普段の生活で ちょっとした「?」な事
「ま、いっか~~」
で済まそうと思えば済ませる事

そういうお話が多かったです

短編にしては 人物もしっかりと描かれていて内容も深い話ばかりでした

ライトだけど しっかり作り込まれていて面白い
そんなミステリーを読みたい人にはオススメです^^



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2012.06.25 / Top↑
江國 香織 「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」


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恋愛の物語10篇を収めた短編集です

この作者の作品はそんなにたくさん読んでいる訳ではありませんが
ほのぼのとした癒し系の恋愛から 割とハードな恋愛まで 
恋愛小説を書けば 随一…かどうかは判りませんが
(何せ 私はあまり恋愛小説を読んでこなかったので)
どのお話も すんなりと受け入れられてしまうという事は 
やはりそういう事なのではないでしょうか

それぞれが とても短い10篇ですが
恋愛のエッセンスが ギュっと濃縮されていて
読んでいてとても心地よかったです

ハッピーエンドの物語ばかりではありませんでしたが
でも、ほんとうは それが日常ってものなんですよね
何も特別ではない ただ昨日から明日へと続くだけの日常

そんな もしかしたら私の物語でもあるかもしれない物語
だから すんなりと受け入れられるのかも知れません
(もちろんそれは 恋愛をしているかしていないかに限らず…です 笑)

「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」

もしかしたら 誰の人生にも、この立て看板が立っているのかも知れません



古井由吉 「野川」


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この作品は 私が今までに読んだ小説の中でも 特に面白かった1冊だと思います

ですが…この物語のあらすじを言うのは非常に難しいです…

色々と引用してますが…(汗)
語り手である「私」が、友人の井斐(いび)・内山を通して
生きることや死ぬこと 病や虚無感に襲われること 情を通わせること…そして戦争
3人の来し方を語りながら 
生きていると同時に付随してくる そういった出来事の奥深くに 導かれて行く
そんな物語です

生きるということを問いかけている……訳ではありません
生の淵に立たせ そのぽっかりと開いた深淵を覗いている
そんな印象です

ただ覗いているだけなのに 言葉の一つ一つにリアルな息遣いを感じてしまう…

この小説(というか 作者?)の凄いところは 
普通なら 行間で語られるところまでを 全て文章にしてしまっている…
そんなところではないかと思います
それが 付けたしや蛇足になっていない
ただただ語っている

これぞ小説 小説の中の小説
そんな気がしました
 
凄い小説…というより 凄味のある小説だと思いました




気が付いたら 1週飛んでました

右向いて左向いてたら 2週間
時間が経つのが早すぎるー!!



2012.06.03 / Top↑
今週は趣向を変えて
1冊の本の読み比べをしました

サン=テグジュペリ 「星の王子さま」   
    石井洋二郎 訳
    河野万里子 訳


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この2冊です

「星の王子さま」は 小学校の低学年の頃に読んだ事があるのですが
話の内容は よく覚えていませんでした
でも、最後の方の 王子さまが砂漠に倒れ込む場面の絵が
強烈に脳裏に焼きついていて 
子供心に ただ悲しい物語だったという記憶しかありませんでした

またいつか読もう読もうと思っているうちに こんな歳になり…
せっかく読むのなら 2冊、訳者違いで読んでみよう!と…


この2冊の最大の違いは 河野訳が 和書と同じ縦書きで 右から読んでいくのに対し
石井訳は 横書で 左から読んでいく洋書綴じになっています
こちらの方が 雰囲気はありますよね

そして 本文ですが 
河野訳は「だ・である」調に対し 石井訳は「です・ます」調で統一されています
童話である事を加味すると 石井訳の方が ぐっと子供向けになるかも知れません

私の好みは 河野訳の方でしょうか
あっさりと読みやすく 全体的にすっきりとまとまる感じを受けました 




「いちばんたいせつなことは、目に見えない」

「星の王子さま」が 世界中で長く愛され続けてきたのは
この一言が いつの時代も変わらない普遍的なテーマだからですよね きっと


ちなみに

河野訳の方は 表紙がすごくステキで 
ほとんど一目惚れしてしまいました

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おわかりでしょうか??
絵の縁が金で描かれているのですぞー!!

ステキ!!



2012.05.20 / Top↑
ちくま日本文学  太宰治

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これは17編の作品が収められている太宰全集です


この本を手に取った時 最初に思ったのは
読むのに時間が掛かりそうだ…という事でした
何故なら 文章に隙間がないのです
「」の会話文の場所で空白があるくらいで
あとはほとんどみっしりと 文字が連ねられています
「太宰は暗い」という先入観もあいまって
ちょっとツライかな と思いつつ それでも購入しました


家に帰り さて…と パラパラと頁をめくると
「桜桃」の文字が目に入りました
これが有名な桜桃か…どれどれ…

気が付けば最後まで読んでしまっていました
そして 僅か12~13頁の作品ではありますが
私は自分の家で あろうことか立ち読みをしていた事に気がつきました

時間が掛かるどころか
一気呵成だったようです


「桜桃」は 胸が締め付けられるような切なさに 涙があふれました

死の直前に書かれたという事もあってか この作品は諦観に満ちあふれ 
あまつさえ自殺という言葉が出てくる私小説風の作品ではあるけれども 
不思議と暗さは感じません

淡々と綴られる語り口ではありますが
自らをナイフでざくざくと傷つけ 血の涙をながしている
そんな気がしました 

作中の太宰は 本当にヒドイ夫でヒドイ父親ですけどね…
若い頃に読んでいたら また違う思いだったと思います


その他の作品も 暗いとは思いませんでした
それどころか おもしろくて笑ったものもありました
どうやら世間のイメージに踊らされていたようです

太宰治の文章は巧妙で 時にユーモラスです
そして 漠然とした気持ちを 的確な言葉に変換するという能力が
ずば抜けて高い作家だと思いました




永井荷風 「濹東綺譚」

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これは 本屋で立ち読みをしていた時、何かの本の解説で
年に一度は読み返したくなる本だと書かれていたので購入したのですが
先に読んだ太宰全集の中の「女生徒」という短編で
偶然にも主人公が読んでいたので驚きました

作者の名前は書かれていなかったのですが
内容からして おそらくこの本で当たりでしょう
太宰はこの作品が好きらしいと知り 安心して読む事ができました(笑)


内容は 小説家の主人公が 自分の小説にリアリティーを持たせるため
玉の井という繁華街に取材…というより散歩に出掛けた時に
お雪という 私娼窟に住む女性と出会います
それから主人公は お雪の元に足繁く通い始めることとなり…

若い女と初老の男のひと夏の恋

平たくいえばそんな内容だけれど…
こんな風に言うと 身も蓋もないような気がする
陳腐すぎる(笑)

純愛の物語です
昭和初期、汚い溝際の私娼窟が舞台だけれど
キラキラと美しくも切ない純愛の物語です

最後に書かれた詩が 主人公の孤独感を一層引き立たせています


太宰治はこの作品の 枯れているところが好きだと言っていました 
それはとても良く判ります
そしてこの作品には 憂愁の美学があるような気がします
おそらく私も 折に触れては読み返す作品になるのではないでしょうか


ただ…
この時代の小説には 判らない言葉が多すぎる…

「矜負」ってナニ?
広辞苑で調べても載ってないし
Yahoo知恵袋で調べましたよ!



2012.05.13 / Top↑
島田雅彦 「佳人の奇遇」


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オペラ会場に集う人々の恋愛喜劇です

天才テノール歌手とそのマネージャー
最高の指揮者で精力絶倫のマエストロ
大学の非常勤講師の男
職を失い 有り金を使い果たし オペラが跳ねた後、路上デビューをしようと決心している男
etc…

悲喜こもごもの大人の恋愛事情や人生模様が
オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の旋律にのせて語られる お洒落な物語です

人はみな、自分の人生においては まぎれもない主人公である
この本を読んで ふとそういう思いがよぎりました




2012.05.07 / Top↑
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